第十一章
……よかった。いつも通りだ。
緊張が解けて綻ぶその表情を見逃さなかったのだろう。ソニックとスネークがほんの一瞬だけ視線を交わすのをルーティは気付かずに。
「あ」
遅れて本来の目的を思い出す。
「食券買ってくるね」
正直、安心した。仲間の姿を見つけたというのもそうだがそれより何よりパートナーが揃っている場面に立ち会えたということに。
X部隊だって結成してからまだまだ長いとは言えないけれどそれでもそれが日常であるくらい絆や繋がりを強く結び育んできたんだ。
家族のように。
こうして距離を置いたことは或いは誤りだった
のかもしれない。だけど僕たちの絆や繋がりをここで絶たせるわけにはいかない。
そう思う。
「ありがとうございます」
食券を交換して得たのは例え悩み事を抱えて食欲が旺盛でなくとも腹の虫を黙らせるには丁度いい肉うどんだった。椀を乗せた四角いお盆を持って受取口を離れたまではいいがソニックとスネークの居た席は何処だったやら。
人見知りも働いて、どんなに賑やかと言っても知らない人間ばかりに囲まれて食事をするのは心細い。その内に表情に不安さえ滲み出ておろおろとしていると他人と軽くぶつかって──