第二章-前編-
「……あれ」
本人が使いこなせるかどうかは別問題。
「あづっ!?」
……たった今、ロイの振るった剣が綺麗な放物線を描いて宙を舞い、主人の脳天に直撃した。柄じゃなきゃ死んでた。そもそもの話、ギャグじゃなきゃ死んでた。
「……はは」
この妙な沈黙が、またあんたかという痛々しい視線が生々しくから笑い。
「ふあぁ」
そうこぼしながら屋敷の扉を開けてのろのろと出てきたのはトゥーンリンク。
「あれ、カービィ」
トゥーンは寝惚け眼で見上げた。
「珍しいな」
「そりゃ同室のメタナイトが早起きだもん。起きるって」
頭の中で推理する。
メタナイトは体内時計が規則正しく動いているから執拗に目覚ましをかけなくても朝は無問題で起きれる。
基本的に同室にベッドは二つ。例えば、同じベッドを使用していたとして起きられないかもしれない可能性を踏まえ、メタナイトが目覚ましをかけていたとしたら。
「カービィ」
じっとりとした目で見上げて。
「……程々にしろよな」
図星クリーンヒット。
「何故ばれたし」
カービィはさっと顔を背けた。