第十一章
……おずおずと。
向けられる視線を気に掛けながら躊躇いがちに手を重ねればロックマンは微笑んだ。
「これ。何処へ行くんだ」
ついて歩こうとしたウルフは呼び止められる。
「お主の部屋はこっちじゃ」
どうやら。パートナーだからといって同室とも限らないらしく手招かれるがままウルフはシラヌイとモウカに連れていかれてしまう。
「不安かい?」
後ろからそっとロックマンが声をかけた。
「う、ううん」
「強がらなくてもいい」
小さく笑みをこぼして離れる。
「ただその方が"好都合"だと思ってな」
ぎくりと。
「そう警戒を張らないでくれ」
ロックマンは思わず吹き出した。
「ただの心のケアだよ」
こつんと。
「君たちにとってパートナーとは此方が思っている以上に唯一無二だ。そのパートナーでさえ信じられなくなってしまっては困るだろう?」
靴音が響いて。
「ほら」
くすくすと笑う声が灼き付く。
「君の部屋は此方だ」