第一章
ルーティは内心ぞっとしていた。
……仇なす連中、というのは異なる正義もそれに含まれるのだろうか。
「こっわ。でも今回が第四ってことはそれほど名を上げてる部隊でもないか」
カービィが言うとロイはそれもそうかと安心したように鼻で笑った。
「口だけはお達者なことで。ま、俺たちの敵じゃないな」
「戯け! そういう気の緩みが剣を取られるんだ」
ぴしゃりとメタナイトが叱りつける。
「気ぃ緩んでも剣だけは離さないって」
「生意気を言うな!」
「じゃあなんて返せばいいんだよ!」
「口で語るな、剣で示せ!」
いがみ合う二人を横目にカービィが呟く。
「ロイとメタナイトって本当親子みたいだよね」
売り言葉に買い言葉、喧嘩上等とメタナイトを相手によくやるものだ。
「……で、どうするんですか?」
リンクが本題に引き戻してくれた。
「今日中に返信するなら預かりますよ。これから街に出かけるので」
見ず知らずの部隊だろうが、正義を掲げ悪を断つのが使命なら同じ仲間だ。それに単純な話がかっこいいじゃないか。名前の響きとか。
「ありがとう。じゃあすぐに書いてくるね」
まだ見ぬ仲間に浮かれながら。小走りでその場を後にする。
――それが事の発端、二週間前の出来事だった。