第十章



荒療治だが致し方ない。戸惑った様子で視線を向けるリオンにネロは顎をしゃくってみせる。しかしこれは要約すればパートナーを疑う行為に他ならない。よって乗り気になれないリオンだったが諦めたのか頷き承諾の意を示す。

やがて鉢巻越しからも窺える程に鮮やかな橙の灯を双眸にともした。見つめる先には心の奥を暴く対象であるユウの姿。息を呑んで見守る中でこれで全て視えると先走り安堵した。

けれど。

「……ユウ」

双眸の灯が静かに失せて元に戻る。

「何故、視せてくれないんだ……?」


──どういうことだ?

何でこいつは頑なに真実を語るのを拒む?


「お前たちこそ。諦めなよ」

パックマンは腕を組んで告げる。

「そいつは罪を認めてるんだって」


まさか本当に、シュルクを?

──そんなはずは。


「いい加減にしろよッ!」

遂に感情を爆発させて未だ口を開かないユウの胸ぐらに掴みかかったのはファルコだった。

「……離せ」
「やっと口を開けたかと思えばそれか?」
「落ち着けファルコ」

フォックスが引き剥がす。

「はーやだやだ。先輩方の仲間割れなんて」

そうは言うが顔面に当てられた片手の指の隙間から不敵な笑みをこぼしてわざとらしく。

「パックマン達。見たくなかったなぁ……?」
 
 
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