第十章
……結局それかよ!
どんなに悪夢に囚われたところで本質は変わらないか──問題は奴らを操っているあの悪魔がどいつを媒体にして潜んでいるのか。推測するに先程の創造の力も実際には正義部隊ではなくアイツが使役しているに違いない。
それさえ暴けば。
マスターもこいつらも解放出来るはず。
「ぁぐ……うぅう……ッ」
……時間もない。
自己判断は危ういが動くしかない!
「、ほう」
ダークウルフを横たえるのと同時に地面を蹴り出して光の群れから脱する。即座視界に捉えられたが駆ける最中にスピカの両脚に黒の閃光が走り程なくして靴裏から黒い電撃が放出。
タイミングを合わせて空高く跳び上がり今度は両腕に黒の閃光を迸らせるが気配を察知して向けられた一撃を躱す。振り向いた先にはブラックピットが神弓を構え矢を放つところだった。空を舞台に自由に立ち回れる翼を持っているという話でもない。舌を打って回避すべく両腕を己の背後に差し向けて電撃を放出。
追撃を躱しつつ降下。地面に到達したが砂煙が舞い上がる。ロックマンは目を凝らした。