第九章
意図も繋がりも読めない。言葉を迷わせているというよりはこの場の空気に適した言い回しを思案している様子であるマルスをじっと見つめルーティは次の言葉を待つ。
「そりゃあ、」
と。口を開いたのは。
「色々情報を聞き出そうって話だろ?」
代わりに答えるマリオに納得した。
「まどろっこしいなぁ」
のも束の間。
「要するに"拷問"でしょ」
……え?
「っおま……俺がせっかく」
「気を利かせたところで気付くでしょ。情報を聞き出すだけなら誰にだって出来るんだから」
気怠そうに言ってのけたカービィが足を組んだけれど何となくぱっとしない。……拷問?
……なにを、するの?
「言い方ってものがあるじゃないか」
マルスが立ち上がった。
「酷い事はしない。情報を聞き出すだけ」
ルーティが不安げに見つめていると。
「大丈夫」
口元に笑みを浮かべて。
「僕を信じて」