第九章
……時計の針の音が煩わしい。
怪我の処置は終えたがルーティはある人物に指定されるがままリビングのソファーに腰掛けてその人物を待っていた。時刻はもうすぐ九時を回る頃。そういえば夕飯食べ損ねたなぁ……
「待たせたね」
はっと顔を上げる。
「ルーティ」
X部隊の拠点エックス邸。今度の件で不意打ちによる痛手を負った戦士たちはもう誰も治療や処置を終えて寝静まる頃だった。
「あ、」
小皿の上に置かれたカップの中には甘い匂いのする紅茶が揺蕩う。ルーティが見上げると視線を受けたリンクがにっこりと笑った。
「お疲れ様」
気怠そうに肩を回しながらやって来たマリオに向かいのソファーに座っていたカービィが声をかける。応えるように片手を軽く挙げてみせたが医療関係を担当しているが故ここに来る直前まで治療に処置に追われていたのだろう。
「弟君は?」
「ぐっすりだよ」
やれやれといった具合に肩を竦める。
「途中から。仕方ないけどな」
「いいんじゃないの。寝る子は育つってね」
「これ以上身長離されてたまるか」
他愛もない会話に申し訳ないながらも。
「あ、の」
水を差すように。
「……マークは」