第八章



「疲れきったその頭で考えたくないだろうが」

ウルフは腕を組みながら。

「どうしたいんだ」

問い掛けが脳に染み込むような。そんな感覚に思わず目を細めてしまいながら思考する。


初歩的な。けれど進み過ぎた駒を戻して一から気持ちを整理しよう。


亜空軍の宣言と活動によってこの世界は大きく動き始めている。僕たちの役目は被害を最小限に留めて彼らの侵攻を鎮圧させること。

第四正義部隊フォーエス部隊はその仲間内にある。


……そう、思っていた。


ダークシャドウによる奇襲。彼らが何を想いに秘めているのか知らないが刃と刃を交える喜びではなく終始怒りを滲ませた立ち回りに厳しいばかりの戦いを余儀なくされた。

その時向けられていた殺気は間違いなく普段と異なるもので。無我夢中で振るった攻撃が何の罪もない子供に被弾した時の怒りと似ている。

ダークシャドウは。スピカは。

……が。フォーエス部隊基ミカゲの出現により戦闘は一時中断された。

彼の目的は僕を殺めることだったのだとダークウルフの発言から読み取れたがその理由も当然詳細的には語られなかった。

独断か。ロックマンによる指示か。


フォーエス部隊が真に何を企んでいるのか結局何も分からないまま事態は一転して遂にダークシャドウさえ緊急撤退。この理由については傍目に窺えたマスターが謎の魔方陣に捕らわれたことが原因だろう。賢明な判断だと思う。
 
 
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