第八章
ズキン、と心が痛んだ。
「……ルー!」
くっと眉を顰めて拳を受けた腕の表面に黒い閃光を走らせる。やがて放電すると黒と青は四方八方に電撃を散らしながら両者譲ることなく、ぎりぎりと激しく押し合って。
「っ……これが……」
ルーティは辛そうに眉を寄せながら。
「スピカにとっての正義なの……?」
俺は。
「周りを巻き込んで……っ殺して、壊して……それでもそれが自分の信じた本当の正義だって言い切れるの……!?」
奥歯を噛み締めた。
「……っるさい」
黒の電撃がよりどす黒く染まる。
「うるさい、うるさい!」
感情の昂りに従って一層激しさを増した電撃が爆発を起こし黒煙を纏った。即座に後方へ飛び退き体勢を整えようと試みるルーティを、追うようにしてスピカが飛び出し蹴りを打ち込む。
「お前たちだって、壊したくせに」
何度も。
「人を殺したくせにッ!」