第八章
その時だった。
体がぐらつくほどの地揺れと爆発音――顔を上げたが確かめるより早く幾つもの赤い光線弾が地面に撃ち込まれる。敢えて外したのだろう、どれも砂煙を巻き上げるだけの攻撃でしかなかったが目眩しには充分だった。
「リーダー!」
そう慌てずとも状況は見えている。手の甲を小鼻に押し付けながら大きく後ろに飛び退いて砂煙の中から脱出する。ダークウルフの隣に並んで顔を上げればその正体がようやく窺えた。
赤い翼の機体……ウルフェンか!
目を見張っている内に勢いよくハッチが開いて人影が飛び出した。その人影は建物の壁を蹴り出すと空中で前転して勢いを乗せたまま倒れたルーティの正面に着地。
「ぅ、」
着地の衝撃で砂煙が払われる。
「情けねえツラしてんじゃねぇぞ」
そこにいたのは。
「ウルフ……」