第一章
聞いたことのない名前だった。
「正義部隊を知らないのか」
その様子から心の内を読み取ったのだろう、メタナイトが言った。
「まあ、あまり目立つ部隊でもないですからね」
リンクが苦笑いを浮かべる。
「どんな部隊なの?」
ルーティが聞くとメタナイトは腕組みして答えた。
「無論、名前の通りだ」
やっぱりと思ったのも束の間。
「……ただ」
遮る。
「彼らは国を穢さない為に正義をかざし悪を討つのだという」
「んなもん何処の部隊だって同じじゃねーか」
「いや違うな」
メタナイトはきっぱりと返した。
「己が正義こそ正義であると信じてやまない連中だ。それ以外は悪でしかない」
ひと呼吸置いて紡ぐ。
「……無論、仇なす連中も」