第七章
静かに目を配らせる。
……被害に遭ったのは確かに新規で作成した人形だけと見て間違いは無いようだ。それに加えて一つ残らずこれが元々人と変わらない形をしていたものだと到底思えない程に裂かれ千切られバラバラに散らばっている。
心を宿さなかった人形に残留思念などある筈もないが空気には微かに邪気を感じ取れる。
「妙だな」
ぽつりと小さく呟いた。
「クレイジー」
「分かってるよ」
短く息を吐いて顔を上げる。
「お前ら。それを一箇所に集めろ」
赤々と燃える。煙が立ち昇る。
黄昏と夜の境目に。
「なんで燃やすんだ?」
ダークフォックスは怪訝そうに言った。
「亡くなったからですよ」
「壊れただけだろ?」
「分からない人ですね」
我が相方ながら殆に呆れる。ダークファルコが溜め息をついていると。
「無垢なお前たちに教えてやろう」
マスターが言った。
「此れは"弔い"だ」