第七章



スピカは黙っていた。彼らだったものをじっと眺めているかと思えばそれよりは何処か遠くを見ているようなそんな様子で。

「……、」

自分でも何を考えているのか分からなくて。


「リーダー」


気付いた時には手を取られていた。

何のつもりだと訊ねるより先に押し付けられた先でひとつの確かな音が伝わる。

「生きています」

どくん。

「"俺たちは"生きています」


ざわざわと。

這い上がってくる。


「……ぁ」


底知れぬ罪悪感が胸を刺す。


「派手に散らかされちゃったねぇ」

ぎくりと振り向いたが同時にまるで演出の如く一陣の風が吹き抜けた。声の先には我らが主君たるマスターハンドとクレイジーハンドの姿。

見れば、またいつの間にちらほらと他のダークシャドウのメンバーも今度の事態を聞きつけて集まってきているようだった。何せ此れまでに類を見ない事件。ただの亜空軍に非ず、亜種とされるファイターの惨殺。

「死んだのは?」
「……恐らく新規で作成されたものかと」

クレイジーはくっくっと笑う。

「よかったねぇ。そいつらじゃなくて」
 
 
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