第七章



「……状況を説明しろ」

ひと呼吸置いて静かに訊ねた。

「温かいですねぇ」

いつの間に駆けつけたのだろう平然とした顔で肉片を拾い上げるダークファルコがいた。もちろんその側には相方であるダークフォックスがゆっくりと尻尾を揺らしながら屈み込んで服の切れ端を摘み上げている。

「この吐きそうな匂いも新しいっスね」
「……僕とアイクが此処に来たときには既にこの有り様だったね」

ダークマルスが語るには自分たちの基地で待機していたところ何の前触れもなく空間を破って飛び出してきたタブーに連れ出されたらしい。

「くるしい」

スピカは見遣る。

「……かなしいがむねのなか、いっぱい」

その時の状況を詳しくお聞かせ願いたいところだがとても語れるような状態ではない。

「怪我は?」
「タブー様は無傷だよ」
「八つ裂きたァな」

ダークアイクは舌打ちして。

「相当恨まれてるモンと見たぜ?……なァ?」

振り返る。

「リーダーさんよォ」
 
 
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