第一章
……関係、か。
緩く長く保たれてきたそれは何の為にあるのだろう。ふと思う。いつの日か最愛の友が利用されてしまうくらいなら絶ってしまうべきなのではないかと――いや。
こんな時にそんなことを考えてどうする。
敵対する関係だろうが、あいつは俺の大事なダチだ!
「へえー。あんた達がやったんじゃないってなら誰がやったんだろうねぇ」
クレイジーはその報告に興味を示したのか嬉々として訊く。
「会場内の人間が犯人である可能性が高いかと」
ダークファルコは続けて、
「あくまで現時点では、です。我々と同じ能力を持つのであれば話は別ですが」
「どっちでもいいよ」
「そうだな」
クレイジーとマスターは口々に言った。
「面白いじゃないか。互いに潰し合ってくれるというのなら手間が省ける」
「ま、犯人は気になるけどね。随分堂々と仕掛けてくれたじゃん」
ダークウルフとダークファルコが視線を交わした。
「……恐らくですが、犯人は撃たれたかと。『X部隊』のホンモノがファルコに確認をとっていましたから」
「ホンモノってことは、ウルフ? さすがは射撃の名手だねぇ」
クレイジーはくすくすと笑って。