第七章



足音が止んだ。

けれど不穏に響く心臓の音と喉の渇いたような感覚だけは拭い去れなくて。

「……あ」

声を発しようと口を開いたが言葉にならない。

何のためにここまで連れ出したのか。思い出せと繰り返し唱えて息を呑む。まだ彼の小さくて寂しいその背中に投げかけるべき言葉を決して間違えてはいけない。

そんな余計なプレッシャーを相手にひっそりと戦って。ルーティは意を決したように手を固く握り締めると大きく叫んだ。

「僕たち、味方だからね!」


……ただ。それだけである言葉に。

想いは届いただろうか。


「……そうか」

ロックマンはぽつりとこぼした。

「やっぱりそういうつもりだったんだな」


そうして振り向いた彼は。

何処か憂いを帯びた目の色をして。


「……ロックマン」
 
 
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