第七章
行き交う人々の色鮮やかな声が賑わう大通り。食事を終えた二人が向かう頃には次の目的地となるデパートも既に多くの人を招き入れ賑わいを見せていた。
「何処に行こうか」
ロックマンが訊ねる。
別段見たいものがあるわけではなかったのだがそれではせっかく提案したというくせ興ざめといったところ。ルーティは案内図を見つけるとじっと見上げて。
「ああ」
目を丸くする。
「ずっと空いてたスペース、新しい靴屋さんが出来てたんだね」
ロックマンは顔を覗き込むように、
「気になるかい?」
「少しだけ」
「なら行ってみよう」
優しく微笑みかける彼に同じように笑いかけて歩き出す。
場を繋ぐ話題に乏しいものがあったが、幸いにもその場所は遠くなく先程の案内図を少し過ぎたところで辿り着いた。
それとなく気になっただけとはいえこの場所を選んだのは正解だったらしく他店と比べて見ても客数が落ち着いている。まずは彼の様子を窺いつつ、適当に靴を選んでみようかな……