第七章



「ルーティ?」

ぎくりと肩を跳ねる。

「何を物思いに耽っているんだ」

彼は自分より他人を気遣う。

「う……ううん!」

だからせめて今だけはそんなことがないように僕が配慮してあげないと。

「それより! 食べ終わったら大通りにあるデパートに行かない?」

突拍子もない提案に彼も一度は目を丸くしたが直ぐに笑って了承してくれた。

こんな時ではあるがこんな時だからこそ息抜きは必要だと思う。僕たちの部隊はそれが個人で熟せるけど彼の場合それがどうにも不器用みたいだから。

「次は僕に奢らせてよね」
「君が熱い内にコーヒーを飲めるようになったら考えてみてもいいかな」
「そ、それは」

飲み切ってしまったカップを小皿に戻すロックマンの言葉に狼狽えて。気恥ずかしそうに肩を竦めてぼそりと返す。

「……コーヒーじゃなくてココアにしてください」
 
 
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