第七章



程なく辿り着いたのはシンプルな造りだが大通りから少し外れているとだけあって落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。

「此処のコーヒーはお勧めだよ。種類も豊富で選び難いようであれば店員がその日お勧めのものを提供してくれる」

説明を受けながら扉を開くと外見のイメージとは異なり天井が高く広々とした店内が二人を迎えた。洒落た音楽が流れる其処は客もそれほど多くはなくゆったりとした時間が流れている。

「僕は……苦くないのがいいなぁ」

足を進めて入り口正面のレジカウンターへ。上方に掛けてあるメニューを見上げながらルーティがぽつりと呟くとロックマンは口元に手を添えて笑った。

「甘い方がお好きかな」
「子供みたいって思ったでしょ」
「まさか。人それぞれある好みを意地が悪くからかったりなどはしないさ」

そう言って店員に向き直ると、

「季節に沿った口当たりの良いものを。苦くないと助かるんだが」

他にも数点ほど注文してロックマンは店員からウェイティングカードを受け取るとルーティに手渡して。

「すまないが先に席に座っていてくれるかい。日当たりのいい窓際を頼むよ」
 
 
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