第七章



まさか申し訳ないからといってその手を繋ぐはずもなく。

「行き先は?」

ルーティとロックマンは賑やかな大通りを並んで歩いていた。様々な色に溢れるこの通りは今この世界が二柱の神に脅かされていることなど知る由もなく。

「特に決まってないかな」
「それはいけない。外出に誘うなら計画というものを立てておかなくては」

しっかりとしてらっしゃる。

「ここから少し外れたところに喫茶店があるんだ。そこに案内しよう」

といった具合に微笑を向けられて二人の行き先は急遽喫茶店へ。

正義部隊が結成されたのはついこないだのことだというのに先輩である此方よりロックマンの方がレイアーゼそのものを熟知している。元がロボットだから、と言ってしまえばそれまでだが。

初期に任される任務の中には街を案内するなどといった極めて単純と見せかけて難易度の高いものもある。対策ではないがあらゆる可能性に備えて普段から街の小さな変化も見逃さず如何なる時も片隅に置いて心掛けているのだろう。

「こっちだ」

部隊長の鑑だな。この人は。
 
 
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