第七章
ロックマンは小さく目を開く。
「……ルーティ?」
それは思わぬ来客だった。
「あはは」
照れ臭そうに苦笑いにも似た笑みを浮かべながら現れたのは紛うことなきX部隊リーダーを務めるルーティだった。
それも今日という日は何故かいつも下ろしている髪のサイドに編み込みをしてそれに合わせるようにして服装もアクセもカジュアルにまとまっている。
彼ほどの中性的な顔立ちならレディースだって見栄えがいいだろうがそれはさておき。彼にそんなファッションリーダーも目を見張るセンスがあっただろうか。
「珍しいじゃないか」
ロックマンは小さく笑って。
「特殊防衛部隊のリーダー殿がわざわざこんな所まで足を運ばれるとは」
彼のそれは当然のこと嫌みではないがそういった言い回しをされたのでは流石のルーティも言葉に詰まる。
「さて。どういった用件かな」
ロックマンは笑みを湛えながら。
「まさかこれから街へ赴くのに心許ないからとこの俺にファッションチェックを要求するつもりでは」
「デートしてください!」