第七章
冷たい水を顔面に受けて顔を上げる。
「あれ?」
ハンドタオルで水滴を拭いながら覚えのある声に振り返るとそこにはカービィが立っていた。
「もう起きてきたの?」
稽古を覗きにいかないということは彼も早朝から何か用事があるのだろう。
「めっずらしー」
「あはは。今日は任務?」
「ってことはルーティも?」
「僕は非番」
するとカービィは溜め息を吐いて。
「なんだデートか」
「ち、違うよ!」
あらぬ勘違いをされてしまった。
「ふぅん。慌てるところが余計怪しい」
「出かけるのは本当だけど!」
「はいはい」
聞く耳を持たないカービィを内心不服に思いながら髪を梳かす。
「僕が整えてあげよっか」
「、え」
「いいから」
そう言って後ろに回り込み、ルーティが持っていた櫛を奪って整え始める。まぁ彼自身の個性でもある特殊能力のこともあって服装や髪型に関して言えばファッション雑誌に掲載されている何処何処のモデルにも引けを取らずセンスがあるしそれならいっそ任せてみるか……