第六章
水を打ったような静けさが訪れた。
「ルーティ」
声が聞こえる。
「早く助けにおいで」
じゃないと。
大事なお友達が死んじゃうよ……?
……気付けば耳元では無機質な不通音が繰り返されていた。一瞬の安堵から絶望へと叩き落とされる感覚にルーティはただ呆然と携帯を握っていて。
「ルーティ?」
フォックスが怪訝そうに訊ねた。
「どうしたんだ」
「……ロックマンが」
ぽつりと言って弾ける。
「ロックマンが!」
涙を浮かべた顔を上げて訴える。
「どうしよう、」
「ルーティ」
「電話でロックマンが」
何から伝えればいいのか分からない。
「――ルーティ」
ぐいと肩を掴まれ振り向かされる。そこには恐らく声を聞きつけてきたのだろうウルフが真剣な表情で。
「落ち着け。何があったのかはいい」
興奮状態であるところに真っ直ぐと目を見つめて冷静に言葉を投げかける。
「俺たちは何をすればいい?」