第六章
熱い。苦しい。いたい、いたい。
ロックマンだけに限らず次の攻撃のため周辺で備えていた他の隊員までもがその犠牲となり地面に崩れ落ちていた。
呼吸も儘ならない締め付けられるような感覚と針を刺すかのような痛みが全身に降りかかる。体の表面はまるで発火したかのように熱く動けない。
「あは。気分はどう?」
既に朦朧とする意識の中でロックマンが顔を上げるとそこには屈み込んで見下す破壊神クレイジーハンドの姿があった。
「何をしたんだって顔してるね」
口元には笑み。
「ジャンクって分かる?」
膝の上に頬杖を付きながら。
「いわゆる壊れ物。手足や部品、あるべきものを失った玩具はそれだけの痛みを伴うんだって」
小さく溜め息をついて。
「なんて。いっても分かんないか」
クレイジーが指を鳴らして立ち上がると重りを取り除かれたかのように体は軽くなり痛みが引いた。けれど直後に右腕に足を軽く乗せられてゆっくりと。
「ね」
見上げる。
「僕が一番好きなこと教えてあげる」
ドクンと心臓が鼓動する。
「それはね」
小さく目を開く。
「希望が絶望に変わる瞬間――」