第六章
「総員、構え!」
叫んだと同時にロックマンは機械化した右腕を突き出し構えた。
「これより作戦Bに移行する!」
閉じた瞼の裏に焼き付いたまだ真新しいばかりの記憶が赤く塗り潰される。
「ルフレ!」
くっと奥歯を噛み締めた。
「……はい!」
だん、と足を開いて地面を踏む。同時に足下にはぼうっと金色の魔方陣が浮かび上がった。囁きかけるようにして唱えると応えるようにして魔方陣がぽつぽつと強い光を灯し始めて。始まりから終わりまでまるで全て見切っているかのようにクレイジーはその場から動かずに。
「トロン!」
程なく金色の光が放たれる。
ばちばちと激しく電気の擦れる音を纏いながら。それが目前にまで迫った頃。
「だから馬鹿だっつってんだよ」
爆発音が鳴り響いた。
直撃、いや。前例がある以上砂塵を突き抜けて仕掛けてこないとも限らない。
「第二波攻撃用意!」
右腕の砲口の奥青白い光が仄かに灯る。
「撃て!」
その掛け声に従い今現在動けるメンバー全ての遠隔攻撃が放たれた。激しい追撃に砂塵は吹き飛ばされ、姿を現す。