第六章
募る。想いは連鎖する。
「まだ出るな!」
咄嗟にロックマンが叫んだがもう既に目標に向かって駆け出していたシュルクのその足を止めるまでには至らなかった。
尾を引いて声を上げながら神剣モナドの一撃を払う。クレイジーはまたもエネルギーの柱を回転させるとその一撃を顔色ひとつ変えず然して問題でもないという風に受け止めて。金属音高らかに火花を散らして互いに弾き合い、交える。
「っ、か」
その直後のことだった。
正面の敵に意識が集中していたばかりに背後からの奇襲に気付けず。シュルクは背中から腹にかけて深く貫かれる。
あの時、ルキナが弾いたはずの。
エネルギーの柱に。
「いやぁあああああっ!」
堪らずルフレが頭を抱えて叫んだ。
彼女だって戦場の多くを知らない、知るべきではない年頃の少女であるというのに血の繋がった実の兄に続けて視界にダイレクトに届けられたこの光景はあまりにも痛ましい。
「隊長!」
焦る隊員の声に応えてやりたいのは山々だがどうにか体勢を立て直さなければと考えれば考えるほど目眩を覚える。
けれど何としてでも。
此処を通すわけにはいかない!