第六章
回避不能。であれば弾く他ないがそれでもとても捌ける数ではない。拘束により身動きの取れないルフレは青ざめた。
「兄さん!」
次の瞬間。
「くっ」
間一髪マークの正面に飛び出して大剣を大きく振るったのはクラウドだった。
巻き起こった竜巻が襲い来る破片を弾き飛ばして事無きを得る。砂塵。マークは手の甲を小鼻に押し付け咳き込む。
「っ、!」
風を切る音と砂塵の奥に煌めくものを肉眼に捉えて咄嗟にクラウドは大剣を再び大きく振るった。がきん、と鈍く金属音を響かせ弾いたのはエネルギーの柱。
くるくると回転しながら弾かれたそれは宙を舞って粒子となり消滅。視界の端に見届けたが次の瞬間砂塵の中から。
「一匹目」
赤。
「クラウド!」
右脇腹から左胸にかけての一線。見れば薙ぎ払われたエネルギーの柱の先端部が鋭利な鏃の形に変化していた。
「っ、ぐ」
傷を受けたが浅い。それでも体勢を崩すには充分過ぎる程だった。揺らぐ標的に狙いを定めてクレイジーはエネルギーの柱を後ろに引きつつ回転させて――