第六章
まずい、と誰かが声に出したがまさしく言葉の通りだった。
にやりと笑みを深めて左手に構えたエネルギーの柱を大きく引き、拘束により動きを封じられているメンバーに向かって投げつける。すかさず飛び出したルキナが剣で弾いたがその頃にはクレイジーも次のエネルギーの柱を手に取っていて。
「ほら。頑張らないと」
それはまるで悪魔のように。
「大事な仲間に当たっちゃうよ?」
傷付けるという行為を心底楽しんで。
「させるか!」
その目を鋭く紅く染めて地面を蹴り出しマークが飛び出すのとクレイジーがエネルギーの柱を投げ付けるのはほぼ同時。
「あは」
クレイジーは笑う。
「またお前?」
駆けながら傍らに浮かんだ金色の魔方陣より閃光が跳ねる刀身がジグザグとした剣を抜き取って力強く払う。
「いいよ。それじゃあ、」
クレイジーは見据えて左手を突き出し、ぱちんと指を鳴らす。
「僕からの特別なプレゼント」
刹那。
マークの正面に捉えていたエネルギーの柱が強く発光したのち膨張して破裂。大小異なる破片は速度を緩めずに。
「受け取って?」