第六章
ぞわ、と。その目に捉われた途端背筋が凍るような感覚を覚えたのだ。子供ながらに敏感に感じ取ったがそれが仇となり足が竦んで生じた隙をそれ見たことかとばかりに瞬きの間もなくクレイジーは、一瞬にしてハルの目前へ。
「ぐぅ、っ」
正面から首を掴んできりきりと絞めあげながら持ち上げる。苦痛に顔を歪ませるハルがいくら足をばたつかせ左手を引き剥がそうとしてもかなわなかった。
「情けないなぁ」
クレイジーは呆れたように吐き捨てる。
「これが正義部隊?」
直後にジグザグと不規則に踊りながら金色の光を放つ雷と青白い光を纏う砲弾が一丸となってクレイジーに突撃した。
けれど砂塵は程なく弾かれ先程と同じ障壁が赤い光を表面に走らせる。その中で未だ苦しみもがくハルを目に解放を狙い攻撃を仕掛けたその一人であるルフレはロックマンの傍らで眉をひそめて。
「お前たちみたいな雑魚が。この世界を守ろうって? 未来を変えようって?」
クレイジーは鼻で笑う。
「呆れちゃうなぁ」
ぎり、と更に首を絞めあげて。
「僕ひとり倒せないくせに」