第六章
告げられた言葉に目を丸くして。
「え?」
思わず口に出して繰り返す。
「総員出動中?」
天空大都市レイアーゼ中央司令塔。
「わ、分かりました」
戸惑った様子でありがとうございます、と頭を下げて受付から離れるのは他でもないあのルーティだった。
……新世界創造計画。亜空軍が宣戦布告したあの日、何故か半ば一方的に通話を切られてしまい今後の体制について話し合う予定を組むことができなかった。
もやもやと胸の内で抱え込んでいる間に音沙汰もなく時間だけが過ぎてしまい漸く決心がついた今日訪れてみるも生憎の入れ違い。司令塔に常在している彼らは離れて独自で動く自分たちと違って度々出動依頼が舞い込むのだろう。
マスターコアのことだけじゃない。この先における自分たちの姿勢についても、話しておきたかったのに。
「……はぁ」
溜め息をひとつ。
――君には答えられない。
鈍く響く。
あれはどういう意味だったのだろう。
「早かったな」
とぼとぼと歩いた先で待機していたのはパートナーのウルフだった。
「あはは。総員出動中だって」
そう言って困ったような笑みを浮かべている間に煙草を取り出し火を点けようとするのだから当然ルーティは慌てて、
「ちょ、ここは禁煙だってば!」