第六章
左目に深紅の光が迸る。
刹那。カムイとカンナは最初のシュルクと同じく見えない力によって数メートル先にまで勢いよく弾き飛ばされた。
即座入れ替わるようにして待機していたパックマンとリュウが駈け出すも距離が縮まるより先、突如として襲いかかった重力にがくんと膝を折って強制的に地に捕らえられてしまう。
更に重力による拘束は彼ら二人だけに留まらず全隊員にまで及んだ。そうして部隊を統率する隊長のロックマンまで地に跪き不利な状況に顔を歪ませる中。
「数を束ねれば互角とでも思った?」
クレイジーは小首を傾げた。
「僕たち神様だよ」
先程まで浮かべていた笑みは何処へやら温度を感じさせない無の表情で。
「かなうわけないじゃん」
当然のように。
「これ以上」
クレイジーははっと目を開く。
「好きにはさせません!」
一閃。既の所でバリアがその一撃を防いだがそうではなく。
「ちっ」
不意にバリアを解除したのちまだ空中で剣を構えたまま身動きが取れないその人の元へ跳び上がって接近し回し蹴りをお見舞いする。クレイジーはそのまま着地するとその人を視界に収め目を細めて。