第六章
変わらぬ様子で立ち竦む双子を庇ったのはほんの一瞬だけ薄水色の光を走らせた透明なバリア。程なく双子の目前にまだ此方の記憶に新しい先程と全く瓜二つのぼうっと光を灯す魔方陣が描かれて。
「ブラピ!」
危険を察知してマークが叫んだ。
「返してやるよ」
――放たれるエネルギー砲。それが目前にまで迫った時ようやく我に返った。
「エルウインド!」
地に向けて放った風の刃をバネに空高く跳び上がりブラピを腕に抱いて間一髪エネルギー砲を躱したのはマークだった。
「ぐっ」
地面に垂直落下、激突するも空中で体を捻ったお陰でマークがクッションとなりブラピだけは大事には至らず。
「やるねぇ」
目を細めて笑っていたところ薄く開いて口角を吊り上げる。
「でも」
クレイジーの後方に赤い魔方陣が幾つも浮かんだかと思うとその中心から鋭利な切っ先の矢印のような形をした黒い光が長く尾を引きながら放たれた。
目標は未だ体勢の整っていないブラピとマーク。形勢不利であるところを当然の如く見逃さず攻撃はジグザグと飛び交い予測不可能な動きを見せつけながら。
……そして。