第六章
弛まぬ意志。目を細めて。
「……理解できないな」
ぴりぴりとした紛れもないそれが絶えず容赦なく突き刺さる。ざっと目を走らせ数は把握したがこのまま空気に乗せられ戦闘に入るわけにはいかない。そのくらいの頭は出来ていると自負したいところだが生憎この状況では笑えるものも。
「可哀想に」
ざわ。
「騙されているんだな」
神経を逆撫でする。
「利用されているだけとも知らずに」
優しい声。
「……知らないくせに」
黒い靄が胸の奥で渦を巻いている。
「リーダー」
溢れそうになる。
「怖い顔をしておるのう」
シラヌイはくすくすと笑って。
「まるで悪魔じゃな」
ほどける。
「……言わせておけば」
ばちばちと電気の擦れる音に振り向くと案の定その人の頬を見慣れた黒い閃光が断続的に跳ねていた。
「勝手なことを抜け抜けと」
今この状況で戦闘に入るのはまずい。
「リーダー!」