第五章



……恐らく。今度の件に関しては司令官含む政府も重々承知しているはず。だとすれば間違いなく自分たちは前線に立たされることになる。

恐怖と不安が入り交じる。でも僕たちは戦士だ。戦えない一般市民の方が遥かに不安で恐怖に震えているだろう。


……だから。


「これからどうするつもりだい」

はっと我に返った。

「……僕は」

ほんの少しの間を空けて。

「まずは白煙をあげていない国や今回の件に気付いてすらいない小さな村を取り上げて防衛に回ろうと思う」

続け様。

「真っ先に僕たちを潰すなんて真似はしないだろうし安全地帯だからってじっと構えているわけにはいかないから」
「同感だな」

ロックマンは電話の向こうで深く頷いているようだった。

「あちらの連中もそのくらいはお見通しだろう。踏まえて戦力として送り出す者といつ如何なる奇襲にも対抗できるよう残る者を振り分けなければならない」

ルーティは口を閉ざしている。

「申し訳ないがこの後予定を空けておいてもらえないだろうか。趣旨が分かっているのであれば早い内に打ち合わせを」
「……ロックマン」

ぽつりと。

「聞きたいことがあるんだけど」
 
 
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