第四章
……次の部屋は。
「シュルク」
ロックマンが名前を呼んで扉を叩いたが返事がない。出掛けているものだと思いきやロックマンがドアノブに手を掛けて回すと扉はすんなり開いた。
「……ん」
その音でようやく気付いたのか部屋奥の窓際の机の上に突っ伏すようにしていた人物はゆっくりと身体を起こして。瞼を擦りながら振り向くその人は。
「バトレンジャー……?」
神剣に選ばれた未来を視る青年。
「お前……また研究に没頭していたな」
ロックマンが呆れたように言うが対するシュルクはまだ完全に頭が醒めていないのか返事も何処か惚けていた。
「昼飯は食べたのか」
「食べましたよ……」
「って、お前またコンビニのおにぎりとスポーツドリンクじゃん!」
何か没頭するものがあると自分の体調管理に手付かずになってしまうタイプの人なんだな。カービィはパックマンに説教されるシュルクを流し見て部屋の入り口側に立てかけられた剣に視線を移す。
「神剣モナドですね」
リンクが呟いた。
「噂によるとその剣がシュルクに未来を視せているらしいですよ」
「ふぅん……」
カービィは何気なく手を伸ばして、
「未来を視せてくれる剣かぁ」
触れる。
「……あっ!」
ばちばちと飛び跳ねる青白い閃光。その光景を目にいい加減覚醒したのだろう、立ち上がったシュルクが声を上げた。
「触ったら駄目だ!」