第四章



「興味ないね」


出落ち。


「あんたたちが世界的に有名な人気ヒーローバトレンジャーだろうと俺の部屋に入れてやる理由にはならない」
「お邪魔しまーす」
「勝手に物を触るなよ」

あ、入っていいんだ。

つんつんとした特徴的な髪型のがたいがいい長身のこの男の名はクラウドというらしい。見るからに重そうなひと振りの大剣を背負っている辺りこれから任務に出かける予定だったらしい。

「まるで悪事でも働いたみたいだな」

クラウドがぼやく。

「お前、稼ぐ割にはケチだよな」
「使うあてがないんだ」

会話を端耳に探索に踏み出せないでいるマリオとマルスを差し置いてカービィは箪笥に近付く。

「あまりジロジロ見るなよ」

なんて背中に釘を刺されたがお構いなく寧ろそう言うのであればと迷わず箪笥の引き出しを引いた。まだ入隊したばかりだからだろう、衣服も少なくすっきりとしていて取分け可もなく不可もなく――

「……?」

そっと引き出しを押し戻すカービィに違和感を覚えてリンクは疑問符。

「どうかしましたか」

小声で訊ねてみたものの。

「ま……趣味って色々あるよね」


……何を見たんだ。
 
 
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