第四章
「驚いたよ」
通路を歩きながら。
「まさかロゼッタの部屋に居たなんて」
何処となく、空気が淀んでいる。それは四人も当然察していた。先を歩くロックマンの表情こそ窺えないがそれ以上の言葉を紡がない辺りあまり芳しいものでもないことが分かる。
加えてその問題を起こした彼ら二人まで口を開かないのだから事態が一向に解決せず空気が重みを増していく。
「すみません」
止むを得ずリンクが口を開いた。
「彼ら、トイレに行きたくなったものを言い出せず……限界に達して部屋を飛び出しトイレを探し当てたまではよかったものの今度は部屋の戻り方が分からなくなってしまったみたいで」
パックマンが振り向く。
「超探したんですけど」
「……すみません」
「あなた方は確かに大事な客人だ」
靴音が高らかに。
「だが。だからといって好き勝手に歩き回っていいという話ではない」
「なにか不都合でも」
言いかけてリンクが制した。
「気をつけます」
不服そうな視線を飛ばすカービィに。
「今はおとなしく従っておきましょう。せっかく得た立場なのですから」
小声で諭したがその本人もアイガードの奥で密かに目を細める。……全く。
何を見れば。
……そうなるんでしょうね。