第一章



……殺すつもり?

僕に限定して仕掛けた犯行だろうか。

いやまさか。近くには歓迎式典の主役である新規部隊リーダーのロックマンとこの国の総合的な指揮を取る絶対君主こと総合司令官が居た。新芽を摘むつもりだったか、それとも国の柱を折ろうと計画していたのか。いずれにせよこの暗闇の中では正しく判別もつきにくいのでは。

いくら自分が特殊防衛部隊のリーダーであっても公にはされていないのだ。

これに関しては木を隠すなら森の中といった具合で狙われる理由は――


「っ、」


銃声が鳴り響いた。……計画的なものではなく、無差別殺人だったかもしれない。

頭の中。ぐるぐると思いながら床に膝から崩れ落ちると激しく咳き込んだ。大きく息を吸って酸素を確保する。硝煙はすぐ近くから匂ってきた。

「ウルフ……」

気のせいだろうか、彼も息を弾ませている。

「っ、はぁ」

上手く言葉を繋げない。
 
 
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