第四章



部屋に入ってすぐに四人は妙な違和感を感じた。

部屋がすっきりしている。それは決して悪いことではないのだが整理整頓されており清潔感があるといった点について違和感が生じているのではない。

具体的には置かれている物が他の部屋と比べて圧倒的に少なく、個性を感じさせなかったのだ。家具の配置や趣味などはもちろん個性というものがあるだろう、けれどフォーエス部隊も結成されてから早一ヶ月。そろそろのこと内装に個性が表れていても何らおかしくはない。

「此方の生活には慣れたか?」

何気なく部屋を見渡すふりをして二人の会話に聞き耳を立てた。

「うん。皆が優しくしてくれるからね」

……どうやら見当違い。彼は他の隊員らとはまた別日に入隊したらしい。

「カンナは?」

また聞いたことのない名前である。ふとパックマンが訊ねるとカムイはさあっと顔を青ざめた。その直後。

脱衣所の扉が開いて。

「カムイ。タオルを忘れたので……」


あ。


石鹸の香りが優しく。濡れた白銀の髪の毛が白い肌に張り付いて色めかしく。

硬直した男性陣を目に少女カンナはみるみる内に顔を赤く染め上げて。

言わずもがな。

「きゃああぁあああ!?」
 
 
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