第四章
その人は怪訝そうに小首を傾げて。
「……どうしたんですか?」
光に恵まれた慈愛の女神。
……彼女パルテナがこう訊ねるのも無理もない話で六人は先程のブラピの攻撃を受けてボロボロである。
「どうなってんだよ! お前のところの天使はっ!」
「あら。まさかとは思いますがブラピにちょっかいを出したのですか?」
困ったように片方の頬を手で覆うパルテナにその張本人であるパックマンは返す言葉も見つからず。
「それで、この人達は?」
「管理下との面会を約束していたらしいが生憎の留守でな。時間潰しに寮内を案内しようという話になっている」
ロックマンが説明するとパルテナは納得して頷いた。
「部屋を見せてもらえるか?」
「ええ、どうぞ――」
「せっかくですが遠慮しておきます」
にこやかに告げたのはリンクである。
「気持ちは嬉しいのですがやはり女性の部屋なので」
一体どういうつもりだろうか。ここでの目的が彼ら正義部隊の調査であることは今回のルートを確保した彼自身も忘れたわけではないだろうに。
「そうですか」
パルテナは微笑みを浮かべて。
「お心遣い感謝します」
「いえ。紳士として当然の行ないをしたまでですよ」