第四章



転じて。

「ばばばバトレンジャー殿、みゃ、毎週ほうしょう録画して観て御座るます!」


人目欺く天才忍者。


「はい、ありがとうございます」

次なる部屋の主であるミカゲにしっかり手を握られてしまいながらも流石のポーカーフェイス腹黒勇者。慌てる相手に釣られることなくにこやかに、爽やかに。

「よよよよければ」

その一方で手汗を滲ませながら。

「しゃさしゃ、しゃいんを……!」

日本語の崩壊。

あれ、忍者ってもう少しこう古めかしい言葉をかっこよく決める種族じゃなかったっけ。それにこのミカゲってヤツ以前見た時とまた随分と印象が違うような。

「お前相変わらずオタクだよなー」

ラック型フィギュアケースの中身を覗きながらパックマンが呟く。釣られてカービィが覗き見ると個性豊かな可愛らしい少女のフィギュア達が並べられている。

「へぇ……」

夜の闇を駆ける仕事人の乾いた心を潤す癒しといったところか。

「そんなんだから彼女いない歴イコール年齢の童貞なんじゃん?」
「ひひ、人の趣味に首を突っ込まないでほしいで御座る!」

二人のやり取りを眺めながら。

「あったなぁそういう時期」
「それはどっちの意味なんだい」
「ご想像にお任せしまーす」
 
 
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