第四章
さて。
例によって今度はマリオがジュニアを構って注意を引いている隙に今度はマルスが探りを入れてみることにした。これが本当に目も当てられないような散らかり具合だったなら探る気力も何もすっきり失せてしまうところだが、流石は教育を受けた子供といったところか。
「……?」
箪笥の上に写真立て。映っているのは無論ジュニアとその父クッパである。その隣に何やら緩く湾曲した先の鋭く尖った角のようなものが置かれているのだが。
「……これ」
思わず声に出してしまった。
「それ」
気付いたジュニアが平然として答える。
「父さんのだよ」
……え。
「それって」
クッパのことだよな……?
「――ジュニア」
ロックマンが笑いかける。
「今週は学校でテストがあるんだろう。成績に支障を来しては保護者の方から苦情が飛んでくるかもしれないからな」
「ししっ飛ぶのは苦情じゃなくて火の粉だったりして……」
続け様パックマンが軽薄に笑うのをジュニアはくすくすと肩を震わせて。
「しっかり勉強しておくように」
「はぁーい」