第四章



……数十分後。

「ありがとうございました!」

きっちり九十度腰を曲げて最敬礼を受けるその側で浅く弾む四人の呼吸。それでも向かいの彼らが頭を上げた時にはどうにか笑顔で取り繕うことが叶ったが。

「うちの隊員が無礼を失礼した。隊長として謝罪と御礼を申し上げたい」

ロックマンが頭を下げる。

「いや俺たちは――」

言いかけてリンクがそれを止めた。

「……どうか顔を上げてください」

口元には微笑を携えつつ。

「こんな我々の行ないで皆さんに喜んでいただけたのであれば光栄です。人々の笑顔こそ正義を語る我々の本望といったところですから」

どの口がものを言うんだ。リンク以外の三人が鳥肌立ったのは言うまでもなく。

「まだ正義の端くれである我々にとって勿体無いばかりの言葉を」

ロックマンは安堵の笑みを浮かべる。

「重ねて礼を述べよう」
「いいえ。……ところで面会を約束した管理下殿は今現在どちらの部屋に」
「あいつなら出かけたぞ?」

そう答えたのはジュニアである。

「確か隊長とパックマンが会議に行って直ぐくらいだったけど」
「だからいつ戻るのかは分からない」

ハルが続けるとリンクは困ったように。

「弱りましたね……」
 
 
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