第四章
正義を讃え、正義を誇る。
我こそがそれであると信じて疑わず背くものがあれば躊躇なく制裁を下す。例えそれが同じ正義を強く訴える同志でも。
……そんな。
微ブラック純正ヒーロー組織が。
「本当にバトレンジャーだ……!」
この反応である。
「台詞は!」
「決めポーズは!」
フォーエス部隊の子供枠であるハルとジュニアが口々に。そんな戦士らしからぬ純粋な子供の瞳で見つめられると。
「どうすんの?」
「やるっきゃないだろ」
意外にもマリオはしれっと答えた。
「切り替えていかないとな。イヤイヤつったってこいつらにとってはもう憧れのヒーロー様なんだ」
ニィッと笑って親指を立てる。
「だったら応えとくのが責務だろ?」
はぁ。次いで視線を向けたその先でリンクがにっこりと笑った。一方マルスはやれやれといった具合に小さく息をついて剣の柄に手を添えスタンバイ。
「良くも悪くも正義のサガってやつ?」
これだから馬鹿は。
「この世に蔓延る悪の全て!」
響き渡る声。
「決して見逃し、許しはしない――!」