第四章
はたと。
「あ」
エレベーターのドアが開いて迎えたその先に目を丸くして固まる見覚えのある二人の姿があって。咄嗟にここが四階じゃないのだと気付いたのも束の間。
「……バトレンジャー?」
潜入もクソもない小さな呟きに。
「……はい」
二度目の鐘の音が鳴る。
「はは、驚いたな」
その人は笑った。
「世界的に有名な超が付く人気ヒーローバトレンジャー殿が我が部隊の管理下と面会を約束していたとは」
「あはは」
驚いたのはこっちだっつーの……
三階で止まったエレベーターに乗り合わせたのはなんとフォーエス部隊を指揮するリーダーロックマンとその隊員パックマンだった。どうやら三階の一室で国の方針について会議が行われていたらしく二人はそれに出席していたらしい。
「ルーティは呼ばれないのにね」
肩を寄せてカービィが小声でぼそっと。
「恐らく自ら会議への出席を希望したのでしょう」
リンクはくすっと笑って。
「感心しましたか?」
「まさか」
その人の背中を見据えて呟く。
「……気持ち悪い」