第四章
「まさかお前がこの歳にもなって潜入の意味を履き違えるとはな……」
到着したエレベーターに乗り込んで早速四階へのボタンを押す。
「誤解ですよ」
リンクは即座に否定した。
「潜入とは潜むものでしょう?」
「ああ」
「この姿は?」
成る程そういうことか。コスプレでバトレンジャーに扮し本来の姿を潜めているからこれもある種では立派な潜入……
「頓智か!」
まあまあ、と両手を軽く挙げてマルスが苦笑気味に宥める。
「で。その管理下って?」
「我々が昔DX部隊に所属していた頃のマスターの立ち位置がそれです。受け持つ部隊の住む施設の総合的管理をしつつ指揮を取るのが役目ですね」
「分かってるよ、そのくらい」
カービィは腕を組み壁に背を預けつつ。
「アポ取ったんでしょ」
続け様。
「見たの?」
「残念ながら」
間を空けずリンクは答えた。
「電話でしたからね」
「そっ」
程なくしてエレベーターの上昇が止まり鐘の音が鳴った。ドアが開く。
「変な奴じゃなきゃいいんだけど……」