第四章
マリオは改めて司令塔を見上げる。
……第四正義部隊『フォーエス部隊』の隊員が住んでいる寮というのは奇しくもこのレイアーゼ中央司令塔内部の四階にある。司令塔といえば重要な情報を管理したり軍隊に指令を与えるなどといった活動が行われる場所。
故に厳重に警備されている此処は例え世界的に有名な大人気ヒーローといえども見つかってしまえば簡単には見逃してはもらえないだろう。
「目処はついているのか?」
「心配性ですねぇ」
リンクはくすっと笑って。
「もちろんです」
ついてきてください、と先を歩き始めるリンクに密かに息をついて安堵した。
まさかこの件について無計画で乗り込むはずもないのだろうが。それはともかくとして何より頭の回る彼だ、その足取りから察するにさぞかし自信に溢れた潜入ルートなのだろう。……
「――本日十三時から第四正義部隊管理下とのアポイントメントをとられているバトレンジャー様ですね?」
……。
「では右手の通路を真っ直ぐお進みになって突き当たりにあるエレベーターから四階へお上がりください」
「どうもありがとうございま」
「これは潜入じゃなくて正面突破だろ!」
期待した自分が馬鹿だった。