第三章



……眩む。

「惑わされるな、ルーティ」

マークの声が引き戻す。

「僕たちをからかっているだけだ」
「っ……でも」


……彼らの言い分は。


「思い出すんだルーティ!」

不穏な空気に揉まれ瞳を揺らして視線を逸らせないでいるルーティの肩を掴んでマークは振り向かせる。

「それでも信じて進んできた」

ぱっぱと視界に映り込む過去の映像に。

「……そうだろ!?」

目を開く。

「そうやってまた目を背けるのか」

僕は。

「繰り返すのか!」


くっと奥歯を噛み締めた。


「……!」

そちらに視線を遣るより先に影を差して腕を払い片手を突き出して雷撃を放つ。

仕掛けたのは……マークだった。

「当てられたいのかい」

諭すように静かに言ったけれどその台詞には怒気も含まれていて。

「……やってみろ」

見透かしたような冷めた口調に。

マークは沈んだ色で睨みを利かせた。
 
 
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