第三章
第二級任務『デモ団体鎮静化作戦』。
正面の扉を押し開くと薄暗い空間がルーティ達を出迎えた。窓から射し込む微かな光は恐らくのこと宛てにならない。
「チッ、暗くてよく見えねえ」
ファルコは眉を顰めた。
「おいウルフ!」
「この階にはいない」
ウルフは暗がりの奥を見据えて。
「……奥に階段がある」
「分かった」
フォックスは振り向く。
「ルーティ。すまないが明かりを」
次の瞬間だった。
「……!」
青い光を眩く発するエネルギー砲が地面すれすれに放たれたかと思うと奥の壁を貫いて。崩れ、射し込んだ光が先程より分かりやすく室内を照らし出したが。
「危ねえじゃねーか!」
ファルコが怒鳴り声を上げた。
「当たったらどうすんだ!」
「問題はない」
ロックマンは静かな口調で答える。
「俺の目にはサーモグラフィーの機能も搭載されている。サーチの結果問題ないと判断して一撃を放たせてもらった」
そう語る、彼はトーナメントで見た青の装甲を纏っていたのではなく左腕だけが人のそれではなく青い光沢の鉄砲の形に変形していた。部分的に、出来るんだ。
「だからって今のやり方は感心しない」
「心に留めておこう」
なんだろう。
「行こう」
ルーティは肩を跳ねる。
「どうかしたのか?」
「うっううん。何でもないよ……」